2015年4月10日金曜日

ディスポーザブルディスクのリセット

Viewのディスポーザブルディスクについて調べる機会がありましたので、メモも兼ねて投稿。

View Composerを使用してリンククローンを構成する場合に、ディスポーザブルディスクという特殊なディスクを構成出来ます。

ディスポーザブルディスクは、ページングファイルなどの一時的なファイルを別ディスクにリダイレクトすることで差分ディスクの拡張を抑え、ストレージの消費量を削減出来る機能です。

簡単なイメージに描いてみるとこんな感じです。

リンククローンでプールを構成する場合、専用/流動問わずデフォルトで有効になっています。

ディスポーザブルディスクは、仮想マシンがパワーオフされた際にリセットされるのですが、この"パワーオフ"に少し語弊があり、View ClientvSphere Clientで仮想デスクトップにログインし、パワーオフ(シャットダウン)した場合には、リセットされません

View接続サーバーがパワーオフした時のみリセットされます。
# いわゆる更新(Refresh)/再構成(Recompose)を行った場合。

実際にリフレッシュされる/されないを確認してみましたので、ご興味のある方はどうぞ。


まず、なぜこのような語弊を招くかと言うと、製品ドキュメントのディポーザブルディスクの説明は以下のようになっています。

Linked-Clone Data Disks
https://pubs.vmware.com/horizon-61-view/index.jsp#com.vmware.horizon-view.desktops.doc/GUID-CB7F0867-5767-4317-AE28-D5858EFE870C.html

[抜粋]
Disposable-Data Disk
When the linked clone is powered off, View replaces the disposable-data disk with a copy of the original disk that View Composer created with the linked-clone pool. Linked clones can increase in size as users interact with their desktops. Using disposable-data disks can save storage space by slowing the growth of linked clones.

ただ単にパワーオフされたらオリジナルのコピーに置き換える、としか記載されていません。。

それを補完するかのように、以下のKBが発行されており、"Horizon View マネージャが、仮想マシンをパワーオフする場合"と記載されているものの、"例"として挙げられているだけであり、View Client経由でもリセットされると受け取れる内容になっています。

VMware Horizon View 5.0 / 5.1 / 5.2 で、仮想マシンがパワーオフの状態の時、ディスポーザブルディスクを削除できない
http://kb.vmware.com/kb/2063696

[抜粋]
ディスポーザブルディスクは、Horizon View 経由で仮想マシンがパワーオフされた場合に限り、リセットされます。
例えば、再構成オペレーションの際、Horizon View マネージャが、仮想マシンをパワーオフする場合です。

実際にView Clientでログインしてのシャットダウンし、ディスポーザブルディスクがリセットされるかを確認しましたが、リセットされませんでした。

リンククローンは流動プールと組み合わせて利用されるケースが多く、流動プールの場合はユーザーログオフのたびにデスクトップ環境をリセット(更新)する運用が多く、意識せずにView接続サーバーからのパワーオフ操作によってディスポーザブルディスクもリセットされてます。

アプリケーション要件などによってどうしても専用プールで構成しないといけない場合においてもマスターVMによる集中管理のメリットを享受するためにリンククローンによるプロビジョニングを構成されるケースもありますが、この場合はユーザーデータを保持するためのユーザーデータディスク(Composer通常ディスク)と組み合わせることで、流動デスクトップ同様にログオフのたびにデスクトップ環境をリセット(更新)する運用を検討してみて下さい。

流動でも専用でも、更新処理によってView接続サーバーからパワーオフ処理が行われ、ディスポーザブルディスクもきちんとリセットされます。

余談ですが、デスクトップ環境のリセット(更新)が出来ない場合、プールの電源ポリシーを"パワーオフ"に設定することで、ユーザーログオフ時は仮想マシンがView接続サーバーよりパワーオフされますので、こちらでもディスポーザブルディスクのリセットが行われます。

しかし、この方法にはデメリットがあるのでオススメしません。

ユーザーが接続してから仮想マシンをパワーオンするので、ログイン出来るまでに時間を要することと、朝9時などの出社時間にアクセスが集中するとパワーオンの負荷(いわゆるブートストーム)が大きくなってしまうため、パフォーマンスのよいストレージが必要になります。。

冒頭にも記載しましたが、ディスポーザブルディスクは一時ファイルの入れ物なので、最悪は一杯になっても問題ないのかなと思いますが、リンククローンを構成する場合は、流動プールかつ都度更新(デスクトップ環境の初期化)により、ディスポーザブルディスクも常にライトな状態にしておく運用がオススメです。

そのために、ThinApp/Workspace Portal/App Volumesを活用しましょう!
# 活用法はまたご紹介出来ればと思います。

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