2014年10月7日火曜日

RDSHアプリケーションの設定方法

今回は、VMware Horizon with View 6 (要Advanced Edition)にて追加された『RDSHアプリケーション』の設定方法について紹介します。

VDIはデスクトップ画面全体を転送しますが、RDSHアプリケーションはアプリケーションの画面だけを転送します。プロトコルはもちろん『PCoIP』です。

RDSHを使うと以下のようなメリットがあります。

・VDIに比べ集約率が高く、VDAも不要なため、低コストで構成可能。
・VDIのイメージ管理からアプリケーションを切り離せるので管理が楽。
・いきなりアプリケーションの画面が表示されるので起動するのが楽。
・何よりもアプリケーションはそのままにマルチデバイスアプリに早変わり。

ただ、デメリット(というよりも制限)もあります。
・アプリケーションがサーバーOS上で動作しなければならない。
・アプリケーションがマルチユーザーモードに対応している必要あり。
・アプリケーションのライセンス許諾的にOKかどうか。

デメリットを乗り越えられるのであれば得られるメリットは十分に大きいと思います。
皆さん、積極的にRDSHアプリケーションを活用しましょう!

では、その設定方法を。



大まかな流れは以下の通りです。
1. 事前準備
2. RDSのインストール
3. アプリケーションのインストール
4. View Agentのインストール
5. ファームの作成
6. アプリケーションプールの作成
7. 資格の割り当て

1. 事前準備
RDSホストとなるWindowsサーバーを用意します。
現在サポートされているOSは、Windows Server 2008 R2、2012、2012 R2の3つです。

※注意点※
ホストOSがWindows Server 2008 R2 SP1の場合、KB277511を適用する必要があります。
また、ホストOSはViewを展開しているドメインへ参加させます。

2. RDSのインストール
OSの準備が出来たら、RDSの役割をインストールします。

インストールするサービスは『リモート デスクトップ セッション ホスト』のみです。

"ネットワークレベルの認証"などは環境に応じて設定します。

購入しているRDS-CALのライセンスモードを選択します。
※ここではライセンスをどのモードで構成するかだけで、サーバーは後で指定します。

"クライアント エクスペリエンスの構成"も環境に応じて設定します。
※Aeroなどを使いたい場合にはここで"デスクトップコンポジション"を有効にしておきます。

リモートデスクトップサービスの役割インストール後は再起動が必要です。

再起動後すればインストール完了です。

3. アプリケーションのインストール
RDSHで使いたいアプリケーションをインストールします。
今回は、インストール済みのアプリケーションを使うので割愛します。

※注意点※
MSI形式ではないアプリケーションをインストールする場合は、『ターミナルサーバーインストールモード』でインストールする必要があります。詳しくはこちら
コンパネよりモードを変更するか、インストール前後でchange userコマンドを実行します。

MSI形式の場合だと、リモートデスクトップの役割を検出して自動的にターミナルサーバーインストールモードでインストールしてくれるようです。

4. View Agentのインストール
インストールするだけ。

前のバージョンだと、RDSデスクトッププールを構成する場合に、コマンドライン特定のオプションを有効にしてインストールする必要がありましたが、本バージョンより不要になりました。こちらもリモートデスクトップの役割を自動で認識してくれます。

一点、通常のView Agentとは違ってインストール時にConnection Serverのアドレスを指定。

インストール後は恒例の再起動。

5. ファームの作成
ついにファームの構成です。

ファームには複数のRDSホストを追加することができて、冗長化やセッション数に応じた負荷分散などを提供します。

View Administratorにて、[リソース]-[ファーム]の順に移動し、[追加]ボタンを押して、ファームを構成します。

プロトコル、切断時の動作などを設定します。

ここで新しい概念、『空のセッション』の登場です。

空のセッションとは・・・
アプリケーションをすべて閉じ、アプリケーションが起動していない状態のことを指します。

空のセッションにはタイムアウトが存在し、タイムアウトすると切断状態に遷移します。
切断状態のままだとライセンスを消費しているので、同時接続数などのライセンスを考えると、適宜ログオフの設定をしておくことをお薦めします。
"切断されたセッションからのログオフ"を設定しておけばOKです。

ファームに所属させるRDSホストを設定します。

[終了]ボタンを押して、ファームの作成は完了です。

6. アプリケーションプールの作成
ファームが作成できたら、アプリケーションプールを作成します。
View Administratorにて、[カタログ][アプリケーションプール]の順に移動し、[追加]ボタンを押して、アプリケーションプールを構成します。

ファームを選択し、RDSHで使いたいアプリケーションを選択し、[次へ]ボタンを押します。
今回は"Internet Explorer"を選択します。

ここで表示されるアプリケーションは全ユーザーがスタートメニューから起動可能なアプリケーションが対象となります。表示されない場合には条件を満たしていない可能性がありますが、その場合はアプリケーションパスなどを手動で構成することも可能です。

アプリケーションIDと表示名を確認し、[終了]ボタンを押します。
※IDはexe名、表示名はアプリケーション名から自動で設定されます。変更も可能。

7. 資格の割り当て
最後に、アプリケーションプールに資格を割り当てます。

資格を割り当てるユーザー/グループはRDSホストのローカル"Remote Desktop Users"に属している必要があります。

設定手順はここまでです。

View Clientでログインしてみると、アプリケーションのアイコンが追加されてます。

アイコンをダブルクリックすると、RDSHアプリケーションが起動します。

※ IEをRDSHアプリケーションで利用する場合のTips ※
アドレスバーに「C:\」と入力すればローカルディスクにアクセス出来てしまいます。
これを防ぐにはレジストリの変更が必要ですが、当ホストへのデスクトップセッション、アプリケーションセッションに双方に影響が出るので注意。詳細はこちら

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